ダブルライセンスの相性について
土地家屋調査士の業務は様々な業種との関連性があり、調査士の知識のみでは実務的には厳しい場面もあります。
例えば司法書士は同じ不動産登記を扱う関係上、Wライセンスの場合は一連の登記をワンストップサービスで完結させられるという点から、顧客にとっては大きなメリットになります。
司法書士
表示に関する登記が完了したら、「所有権保存」、「抵当権設定」などの権利に関する登記があるため土地家屋調査士とは切っても切れない大切なパートナーです。
調査士と兼業されている方も多く、かなりのメリットがあると言えるでしょう。
近年の合格率も3%前後とかなりの難関資格となっているが、挑戦する価値は十分あります。
いつかは司法書士も、と夢見て挑戦されている調査士もすくなくありませんね。
司法書士と土地家屋調査士兼業のデメリットはといえば、司法書士からの仕事依頼が少なくなることでしょうか、、、
測量士
測量士と調査士業務は扱う機材等が大部分で重複しているため、兼業されている方も多い組み合わせです。
公共事業はかなり大きな金額の事業も少なくありません。測量業の登録をして公共事業を入札、そして落札できたならば事務所運営がとても潤い、数十人を抱える企業への進展も決して夢ではありません。
どの業種にも言える事でしょうが、特にこの業種は指名入札となりますので組織としての信頼、役所との人脈、会社の歴史、設備等あらゆるところでその経営手腕を問われることになるでしょうから、新規参入するにはとても入念な準備を要するでしょう。
また、公共事業は景気や災害などに大きく左右されますので、発注そのものが少ない年などは大変ですね、、、
しかし成功している兼業者も確かにいらっしゃいますので、十分検討の上挑戦してみる価値はあります。
測量士の資格勉強は測量をする上で、役立つものがたくさんあります。ただ毎回、結合トラバースを組むばかりではなく、たまには複数路線を組んで厳密網平均計算をかけて、基準点の成果に正確さとあつみをだしてあげるのも良いですね。
自分の測量に自信を持つことは調査士業務をする上でとても強みになるとおもいますのでぜひ取りたい資格です。
行政書士
農地転用や農地の除外申請など、土地家屋調査士につながりやすい仕事がたくさんあります。
実務的にはどうなのでしょうか?
会費等を毎年払って、ばりばりに黒字化している先生方もいらっしゃるのでしょうが、少数派ではあるのが現実だと思っております。
司法試験の受験生や法科大(ロースクール)からの本気モードの受験生が増えてきている傾向にあるようです。行政書士の資格も年々難関化が進み、取得するには数字以上の労力がかかる気がしています。
しかし行政書士のみで年収2000万を超えている方もいらっしゃるので、実力があれば闘えるということですね!
宅建士
そんなに多くはありませんが実務で兼用されている方もいらっしゃいますね。
土地を売買する不動産取引ですが、見た目は更地でも建物の登記が残っていることなどが結構あります。
そういった案件も自分のとこで全部できるというのは確かにメリットではあります。
私もずいぶん前に宅建士(当時は宅地建物取引主任者)を取得しておりますが、その知識が調査士の実務にかなり役立つことがわかりました。
たとえば法令上の制限等、実務でも頻繁に問われる知識であり、宅建士の勉強をしてなければお客様に即答できていなかったなということも数えきれないほどありました。
試験範囲は大手予備校が推薦するほどの調査士試験との重複箇所はそれほどありませんが、実務的にはかなり役立つ資格でありおすすめできます。
宅建業の登録をしないのであっても、不動産の知識として持っていても損はありません。
建築士
測量士と同じ午前の部の免除資格です。
設計と測量登記までワンストップサービスでできるということになりますが、建築士の業務に磨きをかけるのが得策だと思います。
もちろん知識としてはあるにこしたことはないのですが、このWライセンスはあまり効率的ではない気がしています。
(※しっかりとされている方もいらっしゃるのも事実ですが、、、)
特に一級建築士となるとその取得労力もかなりのものでしょうし、仕事の単価的に考えてもあまり調査士との相性がいいとは言えない気がします。
しかし建物登記をするときの配筋図の読み取り方、屋根の種類の認定などはもちろん役に立ちます。
どちらかというと建築士を取得してから、土地家屋調査士を取る方が多いと思います。
マンション管理士
実務ではその名の通りマンションンを登記するときには役立つでしょう。
地方などやはり圧倒的に多いのは木造戸建て一軒家であり、マンション需要はそんなに多くありませんのでおすすめライセンスというわけにいかないかと思います。
第1位 司法書士
第2位 測量士
第3位 行政書士
第4位 宅建士
第5位 建築士
第6位 マンション管理士
という結果にさせていただきます。
(※私個人の独断と偏見です)
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