不動産登記法第33条
- 不動産の所有者と当該不動産の表題部所有者とが異なる場合においてする当該表題部所有者についての更正の登記は、当該表題部所有者以外のものは申請することができない。
- 前項の場合において、当該不動産の所有者は、当該表題部所有者の承諾があるときでなければ、申請することができない。
- 不動産の表題部所有者である共有者の持分についての更正の登記は、当該共有者以外のものは、申請することができない。
- 前項の更正の登記をする共有者は、当該更正の登記によってその持分を更正することとなる他の共有者の承諾があるときでなければ、申請することができない。
判例 (山口地判昭和37・7・15)
誤った所有者名義でなされた表題登記も、当該土地建物が実在する以上その抹消を請求することは許されず、所有者の更生手続きを求める限度で認められる。
通達
添付情報
- 表題部所有者の更正の登記を申請する場合は、その者の承諾証明情報に、申請人の所有である旨の記録があっても、これを所有権を証する情報に変えることはできない。
- 表題部に記載した所有者の持分の更正登記の申請書には、所有権証明書の提供を要しない。
- 所有者の更正・持分の更正の登記の申請に必要な承諾証明情報に提供すべき印鑑証明書は、作成後三ヶ月以内のものに限らない。
- 表題部所有者欄に「共有者甲他四名」と記載されている場合において、甲以外の共有者の持分を更正する場合には、そのものの承諾書とともに所有権を証する書面を提供すべきである。
- 表題部に記載された所有者甲を、甲・乙の共有とする更正登記の申請書には、その所有権を証する書面を提供する必要がある。
- 表題部に記載された所有者の更正の登記の申請書には、所有者の住所を証する書面を添付するのが相当である。
スポンサーリンク
関係する過去問
平成13年第14問
表題部所有者またはその持分についての登記に関する次のアからオまでの記述のうち誤っているものの組み合わせは、後記1から5までのうちどれか。
ア)表題部所有者の持分の更正登記を共有者の一人から申請するときは、その者の所有権を有することを証する情報及び持分を更正することとなる他の共有者の承諾を証する当該他の共有者が作成した情報又は当該他の共有者に対抗することができる裁判があったことを証する情報を提供しなければならない。
イ)表題部所有者の更正登記の申請には、更正後の所有者の住所を証する情報を申請情報と併せて提供しなければならない。
ウ)表題部所有者A、B及びCのうち、Aの持分とCの持分が誤って登記されていた場合における持分の更正登記は、持分に変動がないBからは申請することができない。
エ)表題部所有者A株式会社が合併によりB株式会社となったときの変更は、所有権に関する登記の手続きによって、これを登記しなければならない。
オ)表題部所有者Aが死亡して、その相続人のあることが明らかでないときは、所有者の氏名変更の登記によって、登記名義人をAから亡A相続財産に変更することができる。
1 アウ 2 アオ 3 イウ 4 イエ 5 エオ
※正解及び解説は末尾に記載あり
平成21年第8問
表題部所有者の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組み合わせは、後記1から5までのうちどれか。
ア)表題部所有者Aは、表題部所有者を真正な所有者であるBとする更正の時を単独で申請することできる。
イ)表題部所有者をAからA及びBとする更正の登記を申請するにあたっては、Bが所有権を有することを証する情報を提供することでる。
ウ)表題部所有者A、B及びCの持分が、Aは10分の5、Bは10分の3、Cは10分の2と登記されている不動産について、Bの持分を10分の2、Cの持分を10分の3とする更正の登記をCが申請するに当たっては、他の共有者A及びBの承諾を証する情報を提供することを要する。
エ)表題部所有者株式会社Aが商号の変更によりB株式会社となった場合には、B株式会社は、直ちに表題部所有者の名称の変更の登記を申請することができる。
オ)表題部所有者がA及びBである場合に、Aが死亡してB以外に相続人がいないときは、Bは直ちに自己を単独所有者とする表題部所有者の変更の登記を申請することができる。
1 アエ 2 アオ 3 イウ 4 イエ 5 ウオ
正解
平成13年第14問 正解 1 アウ
ア)表題部所有者である共有者の持分についての更正登記を申請する場合には、所有権を有することを証する情報を併せて提供する必要はない。
ウ)表題部所有者である共有者の持分についての更正の登記は、当該共有者であればだれからでも申請することができる。
正解
平成21年 第8問 正解 4 イエ
ア)当該不動産の真実の所有者以外のものは申請することができない。本問の場合はBから申請すべきであって、Aから申請することはできない。
ウ)Aの承諾を証する情報を提供するのではなく、Bの承諾情報を提供することとなる。
オ)Aの持分のを相続によってBの単独所有とするのであって、所有権の保存登記をしたのちに、その所有権の移転登記をすることになる。
スポンサーリンク