地図とは人為的に区画した土地の筆界を示したもの

「地図」とはもちろん私たちが普段使う地図とは別物であり、不動産登記法で条文化されている地図のことです。

 

国土調査法に基づいて高精度な測量・調査(地籍調査)を実施したうえで作成される地図で、土地の境界が現地で分からなくなっても、地図からそれを復元できるような「現地復元能力」をもつものとされています。

 

今はこれが「14条地図(正確には法第14条第1項地図)」とも呼ばれていますが、不動産登記法が平成16年に改正される以前は第17条にその規定があったため「17条地図」と呼ばれていました。なお昭和の時代など、比較的早い時期に実施された調査による地図では、その精度が低く現地と地図とが乖離することが少なくありません。

 

この地図が規定されたのは昭和35年ですが、その後の地籍調査がなかなか進まず、平成27年度末(平成28年3月末)時点の地籍調査進捗率は全国平均で51%にとどまっています。ここ15年あまりで8%ほどしか進んでいないことになります。
東京都などの大都市部での遅れがとくに目立っており、東京22%、神奈川県が14%、千葉県が15%、大阪府が10%、京都府が8%、愛知県が13%などとなっています。

 

そういった理由から、現在も多くの法務局では「地図に準ずる図面」として、明治時代初期の地租改正事業により作られた地図をもとに「旧土地台帳附属地図」を引き継いだものが使われている状況であり、これが一般にいわれる「公図」です。

 

公図と地図の違いを知ろう

「公図」は当初から不正確さを含んだものであり、これをもとに土地の形状や面積を正確に判断することはできません。山間部などでは公図では四角形の土地が実際は三角形、面積が5倍くらい違うなどという話もよく聞きます。

 

しかしながらこの「公図」は、隣接する土地などとの位置関係を知る手掛かりとして今なお、不動産登記をする上では重要な資料と言えるでしょう。

 

また、土地区画整理やなどによって作成された図面が「地図に準ずる図面」として公開されている場合もありますが、わりと最近の測量技術による成果の図面であれば、信頼度は比較的高いものになっていると考えられて、ある程度、現地を復元できるものもあります。

 

このような図面も含めて「公図」と呼びます。なお実務では地図も公図も含めて公図と呼ぶことが多いです。そして境界復元の根拠等を問われたときは 「14条」地域なので=「地図」ですね。

 


長々と書きましたがこれが極論です

 

Point

①地図=法第14条第1項地図

②公図=法第14条第4項地図=地図に準ずる図面

実務では 「公図=①or②」